ネットワーク、サーバ、パソコン、クラウド等の企業インフラの設計・導入をしている僕が「ブログ用サーバの選び方」を丁寧に解説します。
社会インフラ(電気や水道、ガス、道路)と同じように、企業やブログにもITインフラが必要です。
土台が弱いとしっかりしたブログやサービスは作れません!
この記事はこんな悩みを抱えているあなたのチカラになれます。
- ブログやるならレンタルサーバ借りろ!って聞くけど・・
- サーバー(サーバ)ってそもそもなに?
- サーバにも種類があるらしいけど、なにそれ?
- サーバがポンコツだと何が悪いの?
- どうやってどういう基準でサーバを選ぶのがイイの?
- 結局、おすすめのサーバってなに?
そもそもサーバってなに?
ブログを開設しようとすると「サーバー」が必要ですってよく聞きますよね。
(当ブログではサーバーを”サーバ”と表記してます。意味は同じ)
そして、サーバってのがよくわらん・・・これが最初の壁です。
サーバとは「やることが決められた頭の良いパソコン」
サーバとは頭の良いパソコンです。そして、たくさんのことはせず決められたことをやり遂げます。
決められたことをやるので、役割(種類)があります。
- ウェブサーバくん
- アプリケーションサーバくん
- データベースサーバくん
- メールサーバくん
- ファイルサーバくん
- プロキシサーバくん・・
例えば・・・ファイルサーバ
ファイルサーバくんは、ファイルを保管する専用のサーバです。なので、とんでもないストレージ(保存領域)を持っています。例えば100テラバイトとか。
(例:iCloudやdropboxの裏側では大きなファイルサーバが動いてます)
例えば・・・Webサーバ
Webサーバくんは、Webブラウザからのアクセス(正確にはHTTP,HTTPSのリクエスト)に応答する役割です。
すべてを説明するのは大変なので、みなさんが日常的に使っている「Webサーバくん」をとりあげて説明します。
いつもみんなが使っているWebサーバくん
タブレット、パソコン、スマホ(図の下側)で日常的にネットサーフィンしていますよね?
実は、僕のブログを見ているということはWebサーバくんの力を借りているんです。
PCやスマホがブラウザ(Google ChromeやSafari)を使ってサイトを見ることをブラウジングと言います。
現在、IT分野でブラウズあるいはブラウジングというと、ほとんどの場合、インターネット上のウェブページを閲覧することを意味する。そして、そのための専用ソフトをブラウザーという。
Webサーバはサイトを見るときに活躍している
みなさんがWebサイトにアクセスするとき、裏側ではWebサーバくんが動いていて
Webサーバくん「あ!サイト見たいというリクエストが来た!Webページの情報を届けないと!!」
と動いてくれてるんです。
サーバが落ちるとどうなるのか?
そもそもサーバが落ちるとか死ぬってのは、サーバがダウンすること(機械の故障で動かくなったりすること)です。
サーバダウンの原因はいくつかあります。
- サーバの機械(ハードウェア)故障
- アクセス過多による処理速度の限界(サーバくんが大忙しでCPU負荷が高騰)
- DDoS攻撃(F5アタック)によるサーバダウン
そして、サーバがダウンしているとサーバにたどり着けないわけですから、Webサイトが閲覧できなくなります。
サーバくんが生きていれば「サイト見せてあげるよ〜」と応えてくれたけど、見せてくれるサーバくんがいなくなっちゃうからね・・。
せっかくブログを書いてもサーバがダウンしていたら読者のみなさまに見てもらえないんです。
ダウンしない強固なサーバの選び方とは?
ということは、ダウンしない強固なサーバを選ぶべきなんですが、選び方がわからないのが普通です。
けど、安心してください。ちゃんとした選び方と最悪ここだけ確認しておけばいいというポイントがあります。
さらに、Wordpress等でブログを運営する場合は、ダウンしないだけでなくストレスフリーに使える機能が必須です。併せてご紹介します。
ダウンしないサーバの特長とは・・?
特長を2つに絞りました。
基本的には冗長性とスペックが保たれていれば、サーバはダウンしません。レンタルサーバを選ぶ場合はこれがポイントになります。
- サーバの冗長性(じょうちょうせい)が組まれていること=安定性が高い
- サーバのスペックが高いこと=サイトの表示高速にもつながる
冗長性とは、サーバくんが複数人いること
サーバは機械ですし働きものだからしょっちゅう故障します。
皆さんが使っているパソコンとは違ってサーバは24時間365日動き続けているからです。
動いてない時間があると、そのあいだサイトは閲覧できなくなるから、ずーっと動かしておく必要があるんです。
仮に片方のサーバがダウンしても、もう片方が動いていれば問題ありません。同じ役割のサーバが2台以上あることを冗長性と言います。
サーバは冗長性と高スペックが理想
選ぶサーバはアクセス過多に対応できないといけません。アクセス過多に対応するには処理能力(スペック)が高ければOKです。
飲食店の待ち行列と同じで、お客さんはいっぱいくるのに、料理人の効率が悪く、いつまでたっても料理を出せない状況です。これでは、お客さんは離れていってしまいます。
※ちなみに、サイトの表示に2秒以上かかるサイトは離脱率が95%以上にもなるそうです。
この場合、対策案として考えられるのは
- 料理人を増やす(サーバを冗長化する)
- 手ぎわの良い料理人を雇う(スペックが高いサーバを選ぶ)
冗長化しても片方にアクセス集中するようじゃ意味がない
しかし、冗長化しても片方のサーバにアクセス集中するようじゃ意味がありません。料理人は2人いるのに、片方サボっていては料理の提供速度は変わりません。
冗長化して交通整理されてれば「安定性」が増す
優秀な料理長がいれば話は問題は解決されます。いわば、交通整理(負荷分散)できる子がいればいいんです。ひとりひとりの料理人の手ぎわがいまいちでも分担できれば問題ありませんね。
普通、レンタルサーバ会社はこの仕組みをもっているはずですが、情報公開されていないので詳細にはわかりません。
ちなみに、交通整理する子はロードバランサ(負荷分散装置)という機器だったり、DNSラウンドロビンという仕組みだったりします。詳細は割愛です。
高スペックかどうかの指標
サーバが高スペックかどうかは以下のポイントを確認します。と、いっても少しハードルが高いですよね・・。
- CPUの種類
- メモリの容量
- ディスクの種類(HDD, SSD)
- ディスク構成(RAID10, RAID1)
- Webサーバの技術(IIS, Appache, nginx, Litespeed)
- CPUは、人間で言う脳みそ
- メモリは、作業する机の広さ
- ディスクは、脳みその記憶する場所
- ディスク構成は、記憶の保存方法と取り出し方の種類
- Webサーバの技術は、Webサーバにあるサイトの情報を表示してあげる仕組み
例えば、CPUはコア数が多いほうが優秀です。2コア(デュアルコア)よりも4コア(クアッドコア)がいいです。要は脳みそが4つあるということです。
メモリも同じで数値が大きい方がいいです。4GBよりも8GB。メモリの数値が大きいと同時にたくさんの作業を行えます。
ディスクはHDDよりもSSDのほうが読み書きが速いです。耐久性に劣りますが。
RAIDは色々有りますが、RAID10なんかは非常に優秀です。
Webサーバも色々有りますが、最近ではnginxが軽量かつ高速と評判ですね。
よくわからなければ可用性の数値を参考にする
ITの世界にはサーバやシステムの信頼性を数値化する指標があります。これを可用性(かようせい、Availability、アベイラビリティ)と言います。
可用性とはシステムの壊れにくさを表している数値で、表の左側の数値を参考にします。
1年間にサーバダウンする時間がどれくらいかを表しています。24時間365日サーバがダウンしなければ100%壊れないということです。
稼働率 | 1年間の動作不能時間 |
---|---|
99.9999% | 32秒 |
99.999% | 5分15秒 |
99.99% | 52分34秒 |
99.9% | 8時間46分 |
99% | 3日15時間36分 |
そして、システム提供者(レンタルサーバ会社)と利用者(サイト運営者の僕たち)との間で、このレベルの可用性は担保しますと示したものをSLA(Service Level Agreement)といいます。
ゆえに、参考にすべき数値はSLAがスリーナイン(99.9%)なのか、ファイブナイン(99.999%)なのかを気にすべきなのです。
冗長性があれば可用性も高いです。そして、サーバスペックが高ければ可用性も高くなります。
レンタルサーバ会社のSLAを確認してみる
エックスサーバー
レンタルサーバ会社では最も有名な「エックスサーバー 」です。僕のブログもエックスサーバーを使っています。エックスサーバはとにかく安定しています。
ここがオススメ
- サーバの可用性が高いこと
- サーバが高スペック
- WordPressのインストールが簡単
- 管理画面がわかりやすい
- 複数サイト運営できる
- 保存領域が多い(200GB〜)
エックスサーバー は可用性(稼働率)99.99%です。つまり、1年間にサーバが使えなくなるのは最大でも52分34秒ということです。
(ホスト)サーバのスペックも驚異の20コアCPU、メモリも192GB積んでいます。
普通のパソコンがよくて4CPU(クアッドコア)、メモリ8GBですから、どれだけスゴイのかわかりやすいですよね。
プランもいくつかあって、僕はX10プランで契約しています。ちなみに、エックスサーバーにはwpX というWordpress専用のレンタルサーバもあります。機能を絞って格安で使いたければオススメです。
料金と機能 | X10 | X20 | X30 |
---|---|---|---|
年間料金 | 12,000円 | 24,000円 | 48,000円 |
初期費用 | 3,000円 | 3,000円 | 3,000円 |
ディスク容量 | 200GB | 300GB | 400GB |
マルチドメイン | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
メールアドレス | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
MySQL | 50個 | 70個 | 70個 |
WordPress | ○ | ○ | ○ |
CGI・SSI・PHP | ○ | ○ | ○ |
転送量の目安 | 70GB/日 | 90GB/日 | 100GB/日 |
MixHost
「MixHost 」も有名なレンタルサーバです。最近いろんなブログで「エックスサーバーからMixHostに乗り換えてみた」という記事を目にします。
ここがオススメ
- アダルトサイトの運営OK
- 初期費用無料や30日間無料お試しなど、契約までのハードルが低い
- 一番安いプランでもドメイン数無制限さらにデータベース無制限
- バックアップからの復元が無料
MixHostはアダルトサイトを運営できます。これはなかなかない特長です。加えて、業界最長のお試し期間30日。じっくり時間をかけて選びたい方にオススメです。
プランもいくつか用意されています。最初はスタンダードからがいいでしょう。3年契約すれば月額880円から利用できます。エックスサーバーと比較してMixHostはコストパフォーマンがいいように思います。
エックスサーバーとMixHostのスペック差
サービス | エックスサーバー | MixHost |
---|---|---|
プラン | X10 | スタンダード |
CPU | Xeon E5-2640 v4( 2.40GHz ) x 2 | 仮想(vCPU)2コア |
メモリ | 192GB | 1GB |
保存可能領域(容量) | 200GB | 40GB |
ディスクの種類 | オールSSD | オールSSD |
ディスク構成(RAID) | RAID10 | RAID1 or 10 |
Webサーバーの種類 | nginx | LiteSpeed |
ブログ運営に特化した機能があるかも要確認
ここまでサーバの可用性(壊れにくさ)とスペックが重要とお伝えしてきました。
しかし、ブログを運営する上では操作性や機能も重要です。
さきで紹介したエックスサーバーやMixHostは心配いりませんが、他のレンタルサーバも検討されている場合は、以下のポイントを気にしてみてください。
- サーバの管理画面がわかりやすく使いやすいか
- SSL化対応しているか
- WordPressを使うならMySQLに対応しているか
- WordPressを使うならワンタッチでインストールまでできるか
- バックアップと復元の仕組みがあるか
- 複数ブログを運営できそうか
- 転送速度はたくさん使えるか
- 保存領域は十分か
- 電話やメール等のサポート体制は充実しているか
まとめ
最後にレンタルサーバを選ぶポイントを纏めます。
- サーバが安定しているか
- サーバのスペックが高いか
- 便利な機能があるか
サーバの安定性の背景には冗長性があります。
高スペックなサーバは安定性を担保しますし、サイト表示も高速になるので読者に喜ばれます。
とはいえ、安定性や表示の高速性はよくわからないことがあるので、可用性の数値(99.99%とか)を確認してみるといいよ!という切り口でした。
細かいところは、サーバのCPUやメモリ、保存領域(ストレージ)はどれだけあるかも確認しておくのがベスト。
とにかくに、触ってみないとわからないところもあるので、お試し期間に申し込んでいろいろさわってみることをオススメします!
結論として、僕はエックスサーバー を使っているのでエックスサーバーを推します♪
では!