「選挙ポスター貼りの5つのムダ|見えない費用を試算してみた【ボランティアでみえた問題と課題】」という記事では、選挙ボランティアの体験から「選挙のやり方の問題と課題」について考えてみました。
選挙ポスター貼りの作業はとんでも人海戦術で成り立っており、この課題を解決するためには選挙ポスターの電子化(≒デジタルサイネージの導入)が有用では?と結論を導き出しました。
この記事では「んじゃ、電子化するにはどうする?」ってのを素人がジャストアイデアで考えてみたものです。
最新のITトレンドを交えながら電子化について考えています。
選挙ポスター用掲示板を電子化する5つのメリット
選挙ポスター貼りのボランティアをやってみて
「これって電子掲示板化すりゃよくね?そのほうがよっぽど経済合理性があるし、人の手を使わずして済むんじゃ?」
という疑問をいだきました。
さて、いきなりでは選挙ポスターの掲示板を電子化することのメリットを5つ列挙します。
- 有権者にIT化が進んだと認識させられる(夜暗くても見える)
- 選挙ポスターを電子的に表示できるため人手でポスター貼りしなくてよい
- 選挙期間外は街のお知らせ用途に使える
- (おまけ)企業の広告を配信して収益化させる
- (おまけ)立候補者とビデオ通話できる新たなコミュニケーション方法と一手になる
iPhoneが登場したようにハードウェアが変わるとIT化が進んだと実感する
選挙候補者の公約に「政治をIT化する」というのをよく見かけませんか?
「何をもってIT化できた」といえるのか・・・そもそもIT化というのがバズワード的ではありますが、
仮にポスター掲示板が電子掲示板になったとしたら
「おっ・・IT化してるね」
と一般市民として思えるのではないでしょうか。
目に見えるIT化というのはとても重要です。
IT化の大半って目に見えないソフトウェアの領域だったりしますからね。
ハードウェアが変わると人間はものすごくITが進んだと実感します、iPhoneが誕生したように。
他の4つのメリットは下の項で織り交ぜながら考えてみます。
選挙ポスター掲示板の電子化をするためにはーソフトウェアとハードウェア
選挙ポスターの掲示板を電子化するためには何をどうすればいいのか?
仕組みはどうする??
ソフトとハードはどうする???
というのを考えてみます。
いろいろ調べた結果この構造を「デジタルサイネージ」と呼ぶみたいで、一般に流通しているような仕組みのようです。
デジタル・サイネージ(英: Digital Signage=電子看板)とは、表示と通信にデジタル技術を活用して平面ディスプレイやプロジェクタなどによって映像や文字を表示する情報・広告媒体である。
内蔵記憶装置に多数の表示情報を保持することで必要ならば秒単位で表示内容を切り替えたり動画表示を行うなど、多様な映像広告を展開できる。ネットワーク対応機の場合は、デジタル通信で表示内容をいつでも受信可能である。
出典:Wikipedia
デジタルサイネージの解説で終わっちゃつまらないので、現在のIT業界のトレンドを取り入れながら考えてみます。
選挙ポスターの掲示板を電子化する仕組みをかんたんに図で解説
ソフトウェア面の仕組みをどう考えるかーー?
選挙ポスター掲示板の電子化はどのように設計すべきかについてザクッと考えてみます。
キーワードはIoTです。
まずは単純に既存の掲示板(木の板)を電子掲示板(ディスプレイ)に置き換えます。
ディスプレイにはWi-FiもしくはLTEをくっつけてインターネットと接続できるようにします。
OSはWindowsでもMacintoshでもLinuxでもなんでもいいです。
そして、ポスター掲示板を貼るタイミングになったら「遠隔でポスターデータを配信」します。
事前に立候補者からポスターイメージをソフトコピーで入手しておきます。
上側ではセンターに配置した配信サービス(親となるサーバ)から、子(電子掲示板)にポスターイメージをPush送信します。
選挙期間外も有効活用できるのが魅力
選挙期間外は街のお知らせ掲示板として使うもよし、広告掲載用に活用して企業の広告を載せてマネタイズするもよし。
どうでしょうか?
記事の後ろで「電子掲示板は採算性があるのか?」を考えてみますが、企業の広告掲載を考えると意外といいものかも知れませんね。
ハードウェア面はどうする?どんな機械を使って実現するか(2018年のITトレンドを加味)
どんな電子掲示板を使えばいいか?
ハードウェア(=機械)面について考えてみます。
MicrosoftのSurface Hub(サーフェスハブ)とか使ってみる?
この記事は完全なぼやきなので勝手なことを言いますが、例えばマイクロソフトの「Surface Hub」とか使ってみるのはいいかも知れませんね。
2018年現在のIT業界では「電子ホワイトボード」が流行していて、こんなことができます。
- ホワイトボードのように使える
- ビデオ会議ができる
- プレゼンテーションにも使える
自動車業界最大手のトヨタ自動車はSurface Hubを導入して、生産性改革を実現していますね。
ポスターを掲示するだけでなく災害時のお知らせに使えたり、
立候補者とビデオ通話して公約を聞いてみたりとか・・立候補者が目の前にいないのに質疑応答ができるんです。
他にもいろんなシチュエーションで使えそうじゃないですか?
本体価格が100万円くらいするから、ペイするのに時間がかかるけど・・
あと、防水防塵対策とか施すのはめんどくさそう・・ですね。
実現の課題はたくさんありそうです。
GoogleのJamboard(ジャムボード)もいいね
もしくは、Googleの「Jamboard」とかも良さそうですね〜。
もともとは企業の電子ホワイトボードという位置づけなのでリッチすぎる作りですが、イメージはこんな感じ。
費用を安く抑えるなら街なかでも使われている「普通のデジタルサイネージ」かな
費用を安く抑えるならただのディスプレイや、デジタルサイネージがいいのかな。
デジタルサイネージ:街中で見かける広告用のディスプレイ。渋谷のスクランブル交差点にたくさんある。
ほとんどテレビと変わらないから、50万円 /台で作れないかな。
SONYあたりにアプライアンス(専用機)を作ってもらえば、SONYの宣伝にもなるしいい気がしますね。
電子掲示板化は採算がとれるのか?
どんぶり勘定ですがザクッと電子化したときの費用を試算してみました。
電子掲示板の試算:100台導入で初期費3.3億円、維持費が年4,500万円
さて、ザクっと試算してみました(かなりお高めに試算してます)。
ランニングがちょっと高いですね・・・。
- 初期費用:1,000万円
- 1台あたり初期費用:320万円
- 1台あたりランニング費用:45万円
100台導入したら、初期費用3.2億円+1,000万円、年間4,500万円の維持費。
設置する台数をしぼらないと採算は取れなさそうですね・・・。難しい!
しかも・・電子掲示板は老朽化するので10年サイクルで機器交換が必要かもしれません。
しかし、電子掲示板には「企業の広告を配信して収益化できる」というメリットもあります。
企業の広告宣伝による収益は加味していませんが、バランスよく実現できれば・・むしろ利益になるかもしれませんね。
ちなみに、
減価償却を5年と考えて年間1億円の広告収益があればペイできますね
(100台で年1億だから意外とイケるかも)
浮いたお金は国民や区民、市民のために還元する・・という公約はどうでしょうか?
試算の内訳
-----------初期費(1台あたり)-----------
- 本体代(付属品含):300万円
- 輸送費:10万円
- 設置費:10万円
【合計】320万円 /台
-----------初期費(全体)-----------
- 配信システム構築費:500万円
- 人件費:500万円
【合計】1,000万円
-----------ランニング費-----------
- 通信費:年間50,000円
- 電気代:年間10万円
- メンテナンス費(10%):年間30万円
【合計】45万円 /台
初期費用の採算に時間がかかるが、
結論:選挙ポスター掲示板の電子化は
現状:立候補者1人あたりのポスターを貼るのにかかる費用は34万円くらいです。
【算出元の記事】>>「選挙ポスター貼りの5つのムダ|見えない費用を試算してみた【ボランティアでみえた問題と課題】」
まとめ
選挙ボランティアで抱いた「選挙活動に対する疑問・問題・課題」について考えてみました。
元の記事で「5つの無駄があるポスター貼り」について書きました。
問題を解決するは掲示板の電子化が有用であろうと仮定して、ぼやきを書いてみた所存です。
細かな実現可能性や課題は考えていませんが、いつか実現される未来が来るといいなあと思いました^_^
以上!